映画:パワーレンジャー ~かっこよくねぇよ!~

こんにちは。

光光太郎です。



もう特撮オタクをしてずいぶん長いですが、そんな自分が超楽しみにしていた映画が遂に公開されました。その名も


パワーレンジャー


今回はその感想を書いていきます。いやはやいやはや…。ガッカリですよ!!!!!



■あらすじ

日本の「スーパー戦隊」シリーズを英語版ローカライズしたテレビドラマを、最新の映像技術を用いてリブートし、映画化したアクション大作。紀元前、世界の運命を決める大きな戦いが起こり、5人の戦士によって地球は守られた。そして現代。平凡な毎日を送っていたジェイソンら5人の若者は、偶然にも同じ時間・場所で不思議なコインを手にしたことから、超人的なパワーを与えられる。戸惑う彼らの前に、かつて世界を守った「パワーレンジャー」の1人であるゾードンと機械生命体アルファ5が出現。再び地球を滅ぼすべく復活した悪の戦士リタ・レパルサを阻止するため、ジェイソンたちが新たなパワーレンジャーに選ばれたと告げられるが……。パワーレンジャーの5人には本作がハリウッドデビューとなるデイカー・モンゴメリーや全米ブレイク中の歌手ベッキー・Gら、フレッシュな顔ぶれを起用。「スター・ウォーズ フォースの覚醒」でBB-8の声を演じたビル・ヘイダーがアルファ5役、テレビドラマ「ブレイキング・バッド」のブライアン・クランストンがゾードン役、「ピッチ・パーフェクト」のエリザベス・バンクスがリタ・レパルサ役をそれぞれ演じる。(映画.comより引用)



■パワーレンジャーとは?

紹介は上記の公式サイトにとても詳しく書いてあるのでそちらを確認して下さい。


パワーレンジャーと私の関りは、幼いころにビデオで少し見たり、中学生のころに学校の先生から映画のDVDを譲り受けて見たり、後はヒーロー図鑑などでずっと見ていたという感じですね。作品ごとに明確に分かれている日本のスーパー戦隊に対して、ロボットやスーツが変わっても変身者等は変わらずに続いていくのがパワーレンジャー初期シリーズの特徴でしょうか。ジュウレンジャー面子+キバレンジャー(ダイレンジャー)がスーパー隠大将軍onキングブラキオン(カクレンジャー+ジュウレンジャー)に乗り込むなんてこともあります。仮面ライダーBLACK RXと共演したり、最近だと武装モリモリのパワードアーマーが追加されていたりと、アメリカらしいフリーダムさが魅力的なシリーズだと言えます。


↑日本の特オタとしては絶句して喝采を送るフリーダムなアイデアの数々


↑歴代パワーレンジャーのOP集


そんな、図鑑やネットでしか見ることが出来なかったパワーレンジャーの雄姿を日本の劇場で観れるとなったら、そりゃ興奮してしまいますよ!予告でも東映特撮へのオマージュ(水からの飛び出し、例の採石場、戦隊的アクション)があふれていましたし、ポスターでの「5人で、超える」という文句!!!これぞスーパー戦隊の醍醐味じゃないですか!!!そして、彼らは5人で支えあって、寂れた故郷を守るために戦うんですよ!!!!!!学園青春ものの側面も強いと聞いていたので、これは面白い「町のヒーロー映画」になるなと確信していたわけですよ。しかしね…しかし…。



■鑑賞直後の感想

期待をもって劇場に突撃し、大撃沈しました…。まさか「ブレックファストクラブ」の安いパクリを見せられ、しかしそれはヒーロー物語にクロスせず、挙句全くヒーローがカッコよくないという…憤慨です。これなら「ブレックファストクラブ」や東映特撮、MCUを観ます…という感じです。まぁ良い部分もあるので、3点に絞ってポイントを書いていきたいと思います。



■言いたい3つのこと

①5人は好き!

②ヒーロー映画としてダメダメ

③続編ありきで作るな



① 5人は好き!

なんだかんだ言いましたけど、メインキャスト5人は好きになってしまいました。

まずは何よりも若々しさで、4人は20歳前後!ザック/ブラックレンジャーを演じるルディ・リンは30歳でも18歳に見える「若老け顔」なのでセーフ。むしろ作中で一番落ち着いた演技をしてくれるので安心感があるからよし!

MCUにしてもDCにしても最近のヒーロー映画はベテランの大御所役者がヒーローを演じることが多いですが、その点で上手く差別化出来ているなと。


見た目だけでなく、若年層特有の鋭いナイフのような、触ったら壊れるダイヤモンドのような危うさもありましたね。ジェイソンは中途半端ないい子でいっぱいいっぱいなのがよく分かりますし、喋れるけど心は開かないけど胸元は開くキンバリー、上手く話せないけど誰よりも優しいけど爆発物を作りまくるビリー、ミステリアスで人を寄せ付けないけど誰よりも人との繋がりを求めていたトリニー、金にがめつい不良に見えるけど全て母のためだったザックなど、彼らそれぞれが気持ちと行動に矛盾を抱えた生きたキャラクターなんですね。それぞれがマイノリティであり、コンプレックスがある。このキャラクター造形は本当に素晴らしいなと。


そして彼らの掛け合いが心地いいんですよね。とにかくマイペースなビリーが喋りまくり、それを経てザックがはしゃぎ、キンバリーがつっこみ、トリニーが毒づき、ジェイソンがまとめる。この一連の流れ、イチャイチャを延々と観ていたい!特に超豪華声優陣&本職ではないが上手い勝地涼と広瀬アリスによる吹替版だともはや尊ささえ漂ってきます。


5人の特に楽しい場面としては「崖ジャンプ」が挙げられます。

手に入れた力を遊び感覚で試す場面が「崖ジャンプ」なのですが、ここで彼らは日常からも他人同士という関係性からも、力を手に入れたことで一線を越えるんですよね。その瞬間を抜けのいい青空の下で躍動感あふれるジャンプとして見せるという…まさに青春映画ですよ。今作最大の見せ場と言えるでしょう。

さて…褒めるのはここまでです。この後はつらつらツラツラ文句を垂れていきます。



② ヒーロー映画としてダメダメ

表題につきますね。ヒーロー映画としては本当に認められない。これは日本のスーパー戦隊と比べているわけではなく、ヒーローを描く映画として抑えるべき所が欠けているんですよ。MCUがドラマとヒーローとしてのカッコよさを上手くクロスさせてヒーロー映画としての快感を生み出している中で、あまりにもお粗末。

それはない!と思った箇所を挙げていくと…


●変身をしっかり見せない

見せろ!あと敵の前で満を持しての変身だろ!ヒーローならさ!!ドラマとしてもスピード感がなさ過ぎてタルイぞ!横並び歩きも見飽きたし長い!!!!メガゾードへの合体もあれは淡泊だしよくわからんぞ!


●敵に啖呵を切れ

自分の理屈で悪行を働く敵に対して、その理屈を圧倒する啖呵を切るのがヒーローというもの。力でも精神面でも勝ってほしかった。パワーレンジャーは力を合わせて戦うヒーローなんだから、1人のリタとの対比とかあるじゃん!無しか!!


●戦闘シーンに工夫なし

予告で見せすぎというのもありますが、戦闘シーンが淡泊。東映特撮オマージュと水中での協力技に少し喜ぶ位で、後は微妙です…。もっとこう…訓練シーンとか日常とかと絡めた協力技をやるとかないのか!せっかくチームヒーローなのにそこを活かさないでどうする!!そこでこそMCUやDCと差別化できる場面だろうに!!!!!!

メカ戦ロボ戦になってもそこは変わらずで…。変身ヒーローがロボットに乗り込んで戦うというロマン溢れる展開にロマンが欠片も感じられない。これならトランスフォーマーやパシフィック・リムを観ますよ…。ただ、テーマソングがかかって各ゾードが並び走る場面と最後のジャーマンスープレックスには大いに燃えました!一瞬だけどね!!!!


●戦いにロジカルさがない

全体的に力任せで勝っている印象が強かったですね。メガゾードへの合体も偶然の産物でしたし。何故現代のパワーレンジャーは過去のパワーレンジャーをたった一人で倒したリタに勝つことが出来たのか?ここをロジカルに組み立てて欲しかった。近年のスーパー戦隊はしっかりしてるぞ。


●青春物語がヒーロー要素にリンクしない

彼らの悩みや葛藤が全くヒーロー的なカッコよさにリンクしない…。逃げ出したいほど嫌いだった町を何故守るのかとか、こう、色々あるはずなのに…何故…何故…。出来がいいと言われている青春物語も、これでは台無しだしポーズにしか見えません。



全体的に言えることはですね、青春物語の作りこみに対してヒーロー要素が事務的なんですよ。変身や人間サイズでの戦闘、メカ戦ロボ戦に至るまでがノルマの消費にしか見えず、拘りを感じないんですよね…。端的に言ってカッコよくないんですよ。再び言いますが、スーパー戦隊としてのカッコよさとかパワーレンジャーとしてどうだとかではなく、ヒーローを描くという面において非常に、非常に淡泊で、ガッカリしました。



③ 続編ありきで作るな

ラストのラストで、TV版のグリーンレンジャーである「トミー・オリバー」の名前が呼ばれます。続編がありますよ~~次回には超人気なあのキャラクターが出ますよ~~~ということなんでしょうが、正直不愉快でした。まずは一本目のこの映画を面白くするために、完成度を高めるべきでしょう。MCUの成功によって映画のユニバース化が多くなっていますが、その弊害が最も色濃く出た例です。映画はキャラクターの奴隷ではなく、物語表現に挑戦するための存在ですよ…。

続編ありきで作って初っ端がつまらないことを「ポッピンQ現象」と名付けたいですね。



■最後に

私は出来ることならパワーレンジャーを褒めたかった….称賛したかった…しかし、擁護することは出来ません。


そもそも、誰に向けて作った映画なのかが謎です。青春物語を押しているのでティーンエイジャー向けかと思いますが、世界のティーンエイジャーがパワーレンジャーを観るのかどうかが謎です…。そもそもヒーロー映画なのだからヒーロー好きなオタクや子供たちが観に来るはずですが、その期待に応えるような場面はなく事務的に過ぎていくだけでは…。結局企画の段階からターゲティングが上手くいかなかったのかな?


ただ、本当に5人は好きになりましたし青春物語も悪くなかったので、じっくりゆっくりゆる~く人間ドラマを描けるテレビドラマでやってもらったら、多分大好きになったと思います。なによりも、彼らの成長を長い間追っていきたいじゃないですか。それこそ、日本のスーパー戦隊のように…。


あまり興行収入が芳しくないようですが、もし続編が作られるとしたら、監督達にはオタク的な知識や思い入れを技術と映像に消化する術を学んでから取り組んでもらいたいですね。とりあえずベイマックスとパシフィック・リムとアベンジャーズを500回観ましょう!

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