雑記:ジュウオウキングに見る、戦隊オモチャデザインの革新



ごきげんよう。

光光太郎です。


ヒナタカさんのブログで当ブログを「映画レビューブログ」としてご紹介いただきましたが、2日続けて映画とは関係ない記事です…。2月に入ったら「12月末から1月までに映画館以外で観た作品のサクッとレビュー」を投稿しようと思うので、映画ネタはそこまでないかも…。

↑ヒナタカさんのブログ企画に参加いたしました。内容の濃い記事が数多く紹介されており、勉強になります。



さて今回の記事ですが、2月から始まる新戦隊「動物戦隊ジュウオウジャー」で登場する「ジュウオウキング」のオモチャについて色々と書いていきたいと思います。



この「動物戦隊ジュウオウジャー」、初報が出た段階で「ヒーロースーツが大阪のおばちゃん」「動物の顔がリアルすぎて怖い」など色々な感想が飛び回っていましたが、ジュウオウジャーたちが乗り込むであろうロボット「ジュウオウキング」にも「ダサい」「可動域殆ど無し」「ドット絵」「マイクラみたい」と…実に多様な意見が出ていました。

私も最初に見た時は、そのあまりのハコロボっぷりと胴長短腕に「おいおい大丈夫か…」と心配になり、CMで個別メカの姿を見ても「なんなんだその四角四角したデザインは…」とさらに心配になり…。手裏剣戦隊ニンニンジャーの「シュリケンジン」がかなりチャレンジングなデザインながら豪華さを持ったカッコいいロボットであったこともあり、落胆の気持ちが強かったんです。


しかし、夕方に流れてきたこの動画を見て、その考えは一変しました。「シンプルな形の中で徹底的にデザインされた、機構と遊びの流れ」に鳥肌が立ちましたよ…。まさかジュウオウキングに「美しさ」を感じるとは…。



この「ジュウオウキング」からは、近年の戦隊ロボデザインにはなかった「引き算の美」と「製品として突き詰められた『遊び』のデザイン」を感じたんですね。


ここでひとまず、近年の戦隊ロボのデザインを振り返ってみましょう。ここでは1号ロボに限定して紹介します。(ゴーバスターズだけは1号ロボではありません)


こうしてみるとジュウオウキングは、ほぼ四角のみで構成された面や形のデザインからも伺えますが、個別メカとロボ形態共に「限りなくシンプルな造形になっている」ことがよく分かります。

また、ジュウオウキングは近年の戦隊ロボの様に「個別メカの造形が組み合わさって合体ロボの造形になる」のではなく、「個別メカが変形したシンプルな『ハコ』の組み合わせでロボの造形を作る」ようになっているため、ジュウオウキングの合体機構は単純な「足し算」で構築されたものではないと思うのです。如何にシンプルな造形で、殆ど抽象的な形の組み合わせで何を造形するか…そんな「引き算」的な試行錯誤を、ジュウオウキングのオモチャからは感じるのです。

個の集合体としての個を作るのではなく、個の集合体で全く異なる個を作るような…。例えるなら、近年の戦隊ロボの合体はレアコイルで、ジュウオウキングの合体はキングスライムなんです。集合体ではなく一個体としてのダイナミズムを感じるような、そんなロボットだと思います。



また、ジュウオウキングは「遊び」の面でも緻密なデザインを感じました。このオモチャで遊ぶとき、子供たちは何をみてどう触り、どういう流れで組み立てるのか…。あの動画を見て私は、ジュウオウキングで遊ぶ際の行程には「視覚のメリハリ」と「アンサンブル感」そして「シンプルな形に秘められたメカニカルさ」の魅力が詰まっていると感じたんですね。


「視覚のメリハリ」とは、個別メカが合体形態になるとき、そして合体後の造形変化が著しいということです。何と言っても、一度「ハコ」になるのが凄い。動物を思わせる具体的な造形から、ハコという抽象的な造形へと変化し、そしてそれらを組み上げ反転すると再度具体化される…単純な視覚認識の変化だけでなく、造形物への意識認識にまで変化を及ぼしているんですね。過去には「オーブロッカー」や「シンケンオー」もこの方式を取り入れていましたが、ジュウオウキングはさらに突き詰められていますね。

「アンサンブル感」は前述のキングスライムの例えと被るのですが、このジュウオウキングには個同士をメカニカルな機構によって変形させ組み上げる「合体」としての魅力と、個同士が抽象化され合わさったような「融合」としての魅力があると思います。なかなか言葉にするのが難しいのですが、これまでの戦隊ロボとはどこか異なる、新たな合体ロボット像を打ち出しているように思えるのです。

「シンプルな形に秘められたメカニカルさ」は、読んで字の如し。基本の形は至極単純な「ハコ」です。そのハコをどう弄って動物にし、ロボットへと組み上げるのか…。元が単純で認識しやすい造形なため、子供たちも自分の手の動きとその機構を感じながら遊ぶことが出来るのではないでしょうか。そしてそれは、ジュウオウキングは知育玩具としての要素も内包しているということに他なりません。

この様に、ジュウオウキングはシンプルな造形ながら、変形から合体までの「遊びのプロセス」に幾重もの魅力を備えていることが分かります。




派手さが求められる子供向け商品でありながら「シンプルさ」を基本とし、尚且つ既存製品を超える、既存製品とは異なる楽しさを提供しようという挑戦心。

「ハコ」というシンプルな造形の中に、メカニカルな機構と遊びの流れ、一体感のある造形を組み込もうという高度なデザイン試行。


私はジュウオウキングのオモチャから、制作陣の並々ならぬプロ根性を感じずにはいられません。これは「買い」案件です!

俺の話は俺がする

映画からプリキュアまで

映画感想記事トップ3

0コメント

  • 1000 / 1000