ワクワクもんですね。
光光太郎です。
早いものでもう2月、プリキュアも戦隊も代替わりの時期ですね。魔法使いプリキュアも「原初返りと挑戦」を見せ、動物戦隊ジュウオウジャーも「生物の原初性=シンプルな力強さ」というものを感じさせます。
さて今回は、私が昨年12月末から1月末にかけて映画館以外で視聴した映画の簡単レビューをしていきたいと思います。それでは、張り切っていきますね!
1. 「GONIN」
1995 クライムブロマンス 3/5
今の目で見ると相当豪華なキャスト陣で魅せる、クライムブロマンス。
下から煽ったかと思えば、上から見下ろすように撮る独特なカメラワークと長回しワンショットによって、どこか不穏ながら乾いた雰囲気になっていました。
そんな中で繰り広げられるのは、佐藤浩市さんと本木雅弘さんのブロマンス、竹中直人さんのサイコパス演技、ヤクザの容赦ない報復。それら全ては、世界の片隅で起こった誰も知らない小さな出来事ですが、だからこそ悲しく、激しく燃える意地があります。銃撃戦とたけしさんのゲイ描写は必見‼
2. 「復讐するは我にあり」
1979 クライムサスペンス 4/5
エログロバイオレンスに人間の底を見る、クライムサスペンス。
怒涛の勢いで吹き出る血と容赦ない殺人、15分に1回は出るんじゃないかと思う程に頻出する裸とSEXシーン、腹に来る音楽等、野蛮なエンターテイメントをこれでもかとぶち込んだ傑作。
緒形拳さんの狂気や、一見立派に見える人間のどうしようも無さが目立つ作品でしたが、方言等の言語描写が徹底された面も魅力的でした。日本の地上波放映刑事ドラマでも各地方の方言描写がしっかりされている場面をよく見ますし、日本作劇の一種の魅力でもありますね。
因みにこの映画、私は朝に母と一緒に観てました。まぁ母はドライというか分かってる部分は分かってるので、一緒に楽しく観てましたね。ハハハ。
3. 「その男、凶暴につき」
1989 キタノ映画 4.5/5
監督、主演がビートたけしさんという、キタノ映画の第1作目。
乾いた空気感、うだつのあがらない刑事、突発的暴力、ねちっこい暴力…映画の全てが独特かつ興味を惹いてやまない雰囲気に包まれていました。そしてパッケージ裏にある「自らの凶暴さをもって、立ち向かうしかなかった」という文句の凄まじさ。この文句そのままに、単身ヤクザへ戦いを挑んでいく展開は壮絶の一言。そして「GONIN」と同じく、この物語も現実の経過点の1つでしか無かったと…。
4. 「バトルフロント」
2014 田舎町アクション 2/5
ジェイソン・ステイサム主演、製作・脚本がシルベスター・スタローンというアクション映画。
ステイサム映画ということで「ムカつく奴らをかっこよく皆殺しにする場面」を楽しみにしていたら、凄まじい肩透かしを食らってしまった作品。序盤のムカつく夫妻、ジェームズ・フランコは絶対にやられると思ったのに…。全くスカッとしませんでしたね。後半の見せ場アクションも暗くて見辛く、ステイサムの魅力が炸裂していたのは序盤と中盤の徒手空拳シーンのみでした。
耐えて耐えて耐えて大爆発、というのは確かにスタローンらしいですが、どうにもステイサムには相性が合わない様子…。一緒に観ていた母も飽きていましたね…。
5. 「群盗」
2014 アクション活劇 5/5
韓国製の傑作歴史アクション活劇。
冒頭からグッと心を鷲掴みにされる見栄切り型のアクションや、いい意味で厨二感バリバリのケレン味が炸裂したタイトルシークエンスなど、「この監督、信用できる!」と心底思えた超絶大傑作。韓国のアクション映画は本当にすごい。
群盗勢の「美男美女はいないけどイイ面子」という顔ぶれを見ているだけで幸せになってくるんですが、それに対するカン・ドンウォンさんの「超イケメンで超強い」最強の敵っぷりがまた最高に魅力的なんですよね。
ハッタリの見せ場あり、ワクワクあり、残虐あり、逆転あり、燃える音楽あり、努力が紡ぐ勝利ありと、心と血が燃え滾る要素だけで作り上げられた痛快娯楽大作でした‼大満足!
6. 「007/ゴールデンアイ」
1995 007型スパイアクション 2.5/5
ボンド役者が代替わりした、新生007の第1作目。
ピアース・ブロスナンの匂い立つようなダンディズムとセクシーさ、身のこなしのスマートさは「憧れで美化されたジェームズ・ボンド像」そのもの。彼がいて何かするだけでため息が漏れるほどボンドらしい。主題歌もピアース・ブロスナンボンドの雰囲気が良く出ていると思う。
…が、それだけで終わってしまっている映画だとも言えるかも…。爆笑必須の戦車シーンは007の荒唐無稽さがよく出ていたと思うけど、それ以外はかなり単調で退屈してしまうかな。
個人的にはピアース・ブロスナンの吹替えがゲッターロボ、北斗の拳、勇者ライディーン、キン肉マン、闘将ダイモス、大空魔竜ガイキング、超時空要塞マクロス、毛利小五郎でお馴染みの神谷明さんだったのがグッときましたね!
7. 「駅馬車」
1939 西部劇 5/5
アクション映画及び西部劇の金字塔的作品。
70年以上前の映画でしょ…と心のどこかで油断していましたが、常に飽きさせる事無く物語が充実していた映画でした。お話の要素も「上流女と下流女の交流」「ダメ医者の再起」「お尋ね者と下流女の恋と再起」「忠義を尽くす伊達男」「家族第一不憫男」「インディアンとの決戦」等、多岐に渡ります。そしてそれらの要素が上手く絡み合って群像劇になっており、常にこちらの興味を持続させるんですね。お話だけでなく、画面の魅せ方やアクションなども工夫とチャレンジが溢れており、目も飽きさせません。
戦前の映画ながら現代の映画に負けず劣らず、いや第一線を十分に戦えるド根性娯楽傑作でした。
8. 「現金に手を出すな」
1954 ギャングケイパー 3.5/5
フランス製作のギャング映画、ケイパーものの傑作。
フランスの当時の文化、生活様式が丁寧に描かれていて、特にアジトでつまみを食べるシーンは生活感満載でした。ああいった文化描写がしっかりなされている映画には弱いですねぇ。勉強になりますし、ほっこりしてしまいます。何よりも、その中で描かれていることを「現実」だと捉えやすくなります。
この映画、とにかく見惚れる描写がてんこ盛りなんですね。スーツ、鮮やかな手際、ジャン・ギャバンの激渋演技、哀愁たっぷりな物悲しい雰囲気、そしてここぞという場面でのみかかる音楽…しっぽりと楽しむにはうってつけの作品です。
9. 「素晴らしき哉、人生!」
1946 人間ドラマ 5/5
戦後にアメリカで作られた、人生賛歌映画の歴史的傑作。
私は就活準備やら大学やら何やらでかなり自暴自棄になっている時期にこの映画を観たんですが、こう、生きる元気が沸き上がってきましたね。くじけて袋小路になり、自分を否定してしまいそうになったとき、自分の人生にはこんなにも意味があるし楽しいじゃないか!と考えるようになりました。
そしてこの映画、第二次大戦で英雄となったジェームズ・スチュワートさんが「戦争映画出演」を全て断り、出演した映画でもあります。劇中での彼の役を踏まえて考えてみると、この映画の真っ当な、そして普遍的なメッセージを感じます。70年前の映画ですが、現代に十分通ずる、いや現代だからこそ痛切に響く映画であると思います。
10. 「天国と地獄」
1963 クライムサスペンス 4/5
黒沢明監督による、現代クライムサスペンスの傑作。
前半と後半で様々な要素が切り替わるのが面白い。主役、舞台、作劇の軸そのものがハッキリと変わるが、それでも繋がっているように見えるし無類に面白いです。
前半では会社役員を主役にした詰まるような密室の会話劇、後半は刑事を主役にしたロジカルな犯罪調査になっていて、どちらもそれぞれの魅力がたっぷり詰まっていました。特に犯罪調査の場面は「少ない手がかりから少しづつ犯人への繋がりを見つけていく」プロセスが実に面白く、現代の科学調査モノの源流になっている気がします。
11. 「空の大怪獣 ラドン」
1956 怪獣特撮 4.5/5
東宝怪獣特撮初のカラー映画にして、製作費2億(当時)で作られた大傑作。
その豪華さ、お話の堅実さ、特撮の素晴らしさたるや…推して知るべしですよ!砲撃シーンの異様なほどの長さを除けば欠点らしい欠点は無く、「少ない手がかりから知恵を絞って謎の生物を解明していく」過程に引き込まれるばかりです。このあたり、「ガメラ2 レギオン襲来」にしっかりと受け継がれていますね。
この「空の大怪獣 ラドン」に関しては別途レビューを書こうと思っています。
12. 「光る眼」
1995 SFホラー 1/5
ホラーの巨匠、ジョン・カーペンター監督、クリストファー・リーブ主演のSFホラー。
ジャケットやメニュー画面が一番怖いホラー映画。不安を煽る冒頭で惹きつけるも、その後は退屈地獄の始まり。何とも気の抜けた映像とブツ切りのお話、キン肉マンのフェイスフラッシュにしか見えないおめめフラッシュ…後半は笑いながらみてましたね。
13. 「川の底からこんにちは」
2009 ど根性人間ドラマ 3.5/5
どうしようもない訳でもなく、かといって良い暮らしが出来ているわけではない「中の下」人間の後ろ向きど根性ドラマ。
むかっ腹しかたたない序盤は苦痛の一言でしたが、中盤以降一気に覚醒。満島ひかりさんの力強く人間臭い演技には、思わず心が震えます。脇を固める人物達もいい味を出していて、生粋の悪人はいないんですね。
自分に過度な期待をせず、開き直って頑張ってみようという気持ちになれます。あの社歌も頭から離れませんが、カラオケにあるんでしょうか?
14. 「仁義なき戦い」
1973 ヤクザ映画 4/5
血みどろドス黒実録ヤクザ映画の傑作。
冒頭からとてつもない喧騒とポン刀とハジキと血が満載。その後も濃すぎる面々の壮絶な抗争が続き、汚い策略によってバンバン人が死んでいく。正しく「仁義なき戦い」であるその様相は、下世話でアングラでありながらも、必死に生きようとする人間の根源にある光もかすかに見える。ラスト、角刈りの菅原文太さんが見せるドスの効いた凄みは圧巻の一言。ただ殺すよりも恐ろしい、その一言…必見です。
こんなところでしょうか。暴力に始まり暴力に終わる月でしたねぇ…。
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