映画感想:「俺物語‼」 ~多幸感~



ごきげんよう。

光光太郎です。


私は現在宮城県で暮らしていますが、緑が多くて地形が面白く、住んでいて飽きない場所です。そんな宮城県でオールロケを行った映画であり、私が人生で初めて「恋愛映画」体験をした映画


俺物語‼

のレビューを、今回は書いていきたいと思います。




■あらすじ

男の中の漢、剛田猛男は15歳の高校1年生。しかし、彼が惚れた女の子は全員、親友の砂川誠を好きになっていた。そんなある日、不良に絡まれていた女の子を助けた猛男は、その子に一目惚れしてしまう。その女の子、大和凛子が砂川に恋をしていると思った猛男は二人の仲を進展させようと努力するが、大和が本当に恋をしていた相手は猛男だった…。


■概要

「俺物語‼」は同名の少女漫画が原作です。「このマンガがすごい!」といった特集で1位になったり、最近ではアニメ化もされた人気漫画ですね。

私は原作は未見ですが、春先から放送されていたアニメにどっぷりとはまってしまいました。あんなにも「多幸感」に包まれるような作品は初めてで、怒涛に押し寄せる幸せの波動に耐え切れず、何度も一時停止ボタンを押しながら鑑賞していました。

その為、最初に「俺物語‼」の実写化情報を聞いたときは不安の方が大きかったんです。あんな作品を実写化できる訳がない…正直にそう思っていました。しかし、いざ観てみると…原作やアニメの良さを見事に3次元の世界に落とし込んだ、最高の実写映画作品でした。これは偏に、原作やアニメに対して誠実に向き合ったスタッフ勢、特に鈴木亮平さんの、正に体をはった努力の賜物であると思います。

私の2015年No.1映画の座は「マッドマックス 怒りのデスロード」で絶対に揺るがないだろうと思っていましたが、揺るぎました。映画体験として、「俺物語‼」はマッドマックスを超えてしまったんです。私の中で。

それでは、詳しい感想を書いていきたいと思います。



■感想

全体的な感想としては前述した通り

「原作やアニメの良さを上手く現実に落とし込み、映画独自のエッセンスを加えた、最高の漫画実写映画」

です。

まずは良かった点である

①原作やアニメにおける魅力の現実への落とし込み

②映画独自のエッセンス

について書いていきたいと思います。その前に、鑑賞直後の私のツイートをご覧ください。




①原作やアニメにおける魅力の現実への落とし込み

そもそも、原作やアニメの「俺物語‼」は、この上なく実写映画に向かない題材なんですね。

現代日本を舞台にした男女の恋愛物語ではあるのですが、キャラクターや空気感がこの上なく「フィクション」なんです。ある種行くつくところまでいった「眩しすぎる内面」を持つキャラクター達による、悪意の欠片もない、だからこそすれ違いや勘違いが起こる、幸せな日常…正に作り物、フィクションです。


この「作り物の空気感」を信じたくなるバランスに仕上げていることが「俺物語‼」の原作やアニメの素晴らしい点だと思うのですが、これを現実の人物で、現実の空間で描くのは、非常に困難だと思います。キャスティング、ロケーション、セリフ回し等、どれか1つ欠けても「作り物の空気感」を信じることは出来ません。特にキャスティングは最も重要な部分です。猛男や大和らしい役者を選ぶ、そして演じる、ということがどれ程難しいか…。


その点で言えば、今回の主演二人は完璧です。猛男を演じた鈴木亮平さん、大和を演じた永野芽郁さんは、猛男と大和にしか見えません。あんなフィクションの塊としか思えないキャラクターを、見事に演じ切っていました。


実写化映画の前提であり、最も難しい「役者を原作のキャラクターだと思えるか」という問題が完璧に解決されている、稀有な例だと思います。パンフレットでは各々自分の役に対する真摯な思いを語っており、相当な準備をして撮影に臨んでいたことが伺えます。



特に猛男役の鈴木亮平さんの「プロとしての姿勢」には感服するばかりです。ドラマでの役作りで激ヤセしていた体を、短期間の肉体改造で体重を30kg以上増やしたという話は有名ですね。文字通り体をはった、命を懸けた仕事への姿勢は周りのスタッフやキャストにも大きな影響を与えたらしく、高い士気のもとで撮影が行われたそうです。パンフレットには肉体改造の経過写真が掲載されているのですが、まるで風船のような変わりようでした…。ラブコメ作品への出演が夢、「俺物語‼」は2度と来ないチャンスだと語っていることからも、鈴木亮平さんのこの作品への意気込みが感じられます。その意気込みは肉体改造だけではなく演技にも表れており、顔のアップが上映時間の3分の1を占めるこの映画において、微妙な表情の変化で猛男の心情を表現していました。鈴木亮平さん無くしてこの映画は無かったと、断言できるでしょう。



そしてもう1人、この映画に欠かせない方である永野芽郁さんは、もうですね、可愛いんですよ。可愛いしか言葉が出てきません。繰り返しますが、顔のアップが上映時間の3分の1を占めるこの映画において、彼女の顔アップの可愛さと言ったら…筆舌に尽くしがたいです。

永野芽郁さんは人類で演じることが出来る奴がいるのか?と言われていた猛男と同じ位に、むしろそれ以上に困難な大和凛子というキャラクターをしっかりと演じていました。一目惚れした相手の為に一生懸命に頑張る、そんな姿が可愛くて堪らないんですが、こういった事を純粋に思わせるということがどれ程難しいか…。永野芽郁さんはオーディションで選ばれたらしいのですが、選んだスタッフ、グッジョブ。上映会何度も一時停止ボタンを押したくなりました。

この2人以外の、端役に至るまでのキャスティングも完璧の一言であり、悪意の欠片もない空気感を見事に作り上げています。スタッフの原作とアニメに対する真摯な姿勢が、本当に嬉しいですね…。




そして空気感を作る上でキャスティングと同様に重要なロケーションですが、前述のとおりこの映画は全て宮城県で撮影されています。宮城県は程よい都会と自然が混ざり合った景観と、高低差のある地形に建てられた郊外の住宅地が特徴的なのですが、これらの景色が「俺物語‼」の牧歌的な空気感をより際立たせています。特に太陽や夕日に照らされた住宅地の景観は、牧歌的な美しさに満ちていました。まぁどんなルートで移動しているんだという、地元民ならではの引っ掛かりはありますが(笑)。

原作やアニメでは東京や千葉を思わせる土地で物語が展開されていましたが、それらの場所ではこの様な空気感は生み出せなかったでしょう。このロケーション選びによって実写版「俺物語‼」は、空気感作りにおいて原作やアニメを超えたと思います。



キャスティング、ロケーション選び共に、スタッフの原作やアニメに対する向き合い方、そして映画作りへの真摯な思いが伺えます。それに応えたキャスト陣の準備と演技…それらが展開するのが宮城県ということが、嬉しくてなりません。





②映画独自のエッセンス

原作やアニメでは猛男と大和は早々にくっつくのですが、実写映画版「俺物語‼」は猛男と大和が恋人同士になるまでのお話になっています。くっついた後のイチャラブ日常話ではなく、甘くて切ない勘違いラブコメにして、告白の部分を物語のクライマックスにしています。

「俺物語‼」にはこういったお話の再構成だけでなく、映画として面白くするためのエッセンスがふんだんに盛り込まれています。再構成以外を簡単にあげていくと、


①ロケーション

これは前述した通りですね。まさしく実写映画ならではのエッセンスだと思います。


②ギャグからの伏線

「好きだぁぁ!」がかなり笑えるギャグになっていましたが、それが後半いい味出します。


③「人間」としての剛田猛男

原作やアニメでは「悩まない」半ば超越的なところが大きな魅力であった猛男ですが、映画では人間味が増した人物となっていました。お父さんとの男語りの部分が象徴的ですね。


④素晴らしすぎる端役の方々

ルーキーズでお馴染みの中尾明慶さんを始め、初代「相棒」の寺脇康文さん等、脇を固める役者さんが物語を味わい深くしてくれます。特にお店の店員さんたち、中でもパン屋の主人が…。


➄猛男と大和のくっつき方

これは原作やアニメから大きく変更されています。正に「映画的快感」としか言いようのない体験が出来ると思いますよ!鈴木亮平さんと永野芽郁さんに惚れること間違いなし。


等ですね。あまりネタバレしたくないので、是非劇場で観て、体験してみてください!



良かった点振り返り

①原作やアニメにおける魅力の現実への落とし込み

②映画独自のエッセンス

良かった感想をまとめていくと、原作やアニメをただ単にトレースするのではなく、一本の映画として、漫画実写化映画として面白いお話、体験ができるように作られていることがよく分かります。もうこの映画のスタッフとキャストは本当に信用できる!

以上、良かった点でした。




続いて、残念だった点について少し書いていきます。

①砂川誠のキャスティング

②地理を無視した滅茶苦茶なルート

③ワンパターン展開多し



①砂川誠のキャスティング

これはポスターをみた段階から思っていたことですが、どうにも脳内補完をしないと坂口健太郎さんが「砂川誠」には見えないんですよね…。イケメンであることを得と考えておらず、おしゃれやケアに無頓着、でもカッコよく見えてしまう砂川…という補完をせねば「砂川誠」に見えないというのは、鑑賞中かなりノイズになってしまいました。


ですが、砂川のキャラクターが原作やアニメにおける「完璧だけど、ほんの少し弱さがある」というものから、完璧さを少し抑えた「クールだけど友達思いのいいやつ」という人間味のあるものへ変更したことで、グッと現実感のある「そこにいると信じられる」人物になっていました。

猛男への告白の助けも原作やアニメと異なっており、何故勘違いを放置するのか?という理由づけにもなっていました。この「砂川誠」というキャラクターを単なるイケメンアイドルが演じていたら「そこにいると信じられる」人物にはならなかったでしょう。坂口健太郎さんだからこそ「そこにいると信じられる友人」としての砂川誠を表現できたのだと思います。あれ、褒めてるな?


②地理を無視した滅茶苦茶なルート

これはいたしかた無いというか…。暮らしている身としては「そこはどういうルートで移動しているんだ?」と首をひねるシーンが多かったですね。宮城の綺麗さ、牧歌的な感じはよく分かるんですが…。あれ、褒めてる?


③ワンパターン展開多し

特に序盤のくだりですね。3回程同じ展開が続きます。その他にも何処かでみたようなシーンが続く遊園地のくだりなど、新鮮味に欠ける部分があったところは否めません。というか、あのジェットコースターでわめくシーンは必要だったのか…。遊園地といえば、映画とは思えないCG処理が目立つ部分もちらほら…あれは決定的な欠点だと思います。

ただ、序盤の繰り返しが後半に繋がってくるんですねぇ…。幸せの波動が押し寄せてきます。あれ、褒めてるな?



残念な点振り返り

①砂川誠のキャスティング

②地理を無視した滅茶苦茶なルート

③ワンパターン展開多し

いたしかたない部分が多いですね…。大体褒めに繋がっていますし…。それだけ私がこの映画に惚れてしまっているということですね。鑑賞中は常に多幸感に包まれていたので、文句なんてほぼ覚えていないんですけどね!!




総括すると、

スタッフやキャストの、原作やアニメに対する真摯な姿勢、そして「俺物語‼」の実写映画として面白いものを作ってやろう!という気概がビンビンに感じる映画であり、宮城県の景観が映える、最高の映画体験ができた映画

という感じでしょうか。

私は、人生初の恋愛映画体験が「俺物語‼」であったことを非常に嬉しく思っています。

大スクリーンで初めて観る男女の切なくて甘い恋愛であり、大好きな作品の実写映画であり、自分が暮らしている場所で撮影された映画であり、超可愛い永野芽郁さんや味のある顔演技を魅せる鈴木亮平さんを大スクリーンで観ることが出来た映画であり……、様々な要素が絡み合い、私に今までにない多幸感を与えてくれました。こんなことは初めてです。


この「映画体験」ができたからこそ、「俺物語‼」は「マッドマックス 怒りのデスロード」を超え、私の2015年映画No.1になりました。制作関係者の方々、宮城県のロケ協力者の方々、本当にありがとうございました‼






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2コメント

  • 1000 / 1000

  • 光光太郎

    2015.11.09 12:01

    >ケンさん 是非観てみてください!
  • ケン

    2015.11.09 02:41

    この映画見たかった!